あいちトリエンナーレ2010 spectra [nagoya]
あいちトリエンナーレ2010 spectra [nagoya]
日が暮れると名古屋のどこからでも見ることができる池田亮司の光の塔。
名古屋城の広場に直径50センチのサーチライトを縦横8列ずつ、合計64基を設置したもので説明によると成層圏まで届くらしい。
暗くなった名古屋城周辺は人気がなくて、ちょっと不気味だったが、その光を目指して行くと駐車場には車がいっぱい。やはり名古屋は歩く街ではないらしい。歩道橋しかない交叉点も多かったし、歩行者や自転車にとっては住みにくいかも。
さて、すっかり暗くなった城内を行くと、ライトアップされた天守閣が見えてくるが、それが色あせてしまうほど神々しい輝きの光の棒が天空をめがけて伸びている。その光の足元に近づいていくと、なんだか虹の足元を目指して歩いているようでワクワクしてくる。そして、近づくにつれて電子音楽が聞こえてくる。
その巨大なサーチライト設備から光を見上げると、光の中を飛び交う蛾が強力な光にあてられてキラキラと輝いているのが見える。
当日は晴れでずっと上空まで光が伸びていましたが、前夜は曇りで光が雲に乱反射して、それもまた見事な景色だったとのこと。
スケールの大きな光と音のインスタレーションとしてたっぷり楽しめるものだけど、多くのお客さんは現代アートとしてではなく、せっかくの珍しいものだから見ておくといった人々でした。
足元の暗いところをときどき夜空を見上げながら電子音のする方へぞろぞろと人々が行く景色は、なんだか大晦日の初詣、それも静かな北国のそれを思わせました。誰かが柏手を打ってお賽銭を投げてもおかしくないような気がします。
そんな空想は別として、このイベントはお金かかってるし、見栄えもいいし、各所から撮影した写真をメールで送ろうという参加型プロジェクトもありで、こんなシンボル的な作品がトリエンナーレにひとつはあってもいいと思います。予算が許せば毎週末あってもいいかも。
思い返せば横トリにはこんな盛大なものがなかったのが残念。