いみありげなしみ展@東京国立近代美術館
近美では大規模な企画展のウラでひっそりと小規模な企画展もやっているんだけど、これがまたキラっと光る展示会が多いんです。今回の「いみありげなしみ」もアート作品における「しみ」をテーマにして興味深いものになっている。
まずは「しみってなんでしょう」という問いかけから始まって、しみをモチーフにした作品をいくつも展示している。その中で榎倉康二のカーペットに何かをこぼしたらしい作品は実は・・・というナルホド感が楽しい。
次にしみを見る私たちの感覚についてキリストの聖骸布から説き起こして、幸田露伴やダ・ビンチの文章へつなげる。そして丸山直文やモーリス・ルイスの作品の鑑賞を深める。
小さな展示会場だし、おそらく展示作品は収蔵品だけなのだろうけど、アイデアと構成と語り口で十分楽しませる。お手本のような企画展。まったくここの学芸員ってやるわ。