アーティスト・ファイル2010―現代の作家たち@国立新美術館
アーティスト・ファイル2010―現代の作家たち@国立新美術館
国立新美術館の学芸員のキュレーションによる、今年イチオシの作家たちの展覧会。企画展やグループ展ではなく、複数の作家がそれぞれ個展をやっている感じ。
桑久保徹の水平線とビーチという同じ構図による祝祭的作品群が気持ちよかった。横浜国際映像祭でハマったアーノウト・ミックはいつもの不穏でありながら親密な群像劇だった。O JUNの部屋はあの天井の高い展示室の壁面にところ狭しと作品が配置されていて目移りするほどだった。
一番気に入ったのが石田尚志。ロールペーパーにすこしずつドローイングして行く様子をコマドリしたアニメーションは疾走感、手作り感、スケール感ともに素晴らしく、いつまでも浸っていたい部屋だった。
同様の手法で室内いっぱいにドローイングする作品もあって、窓の光の移動からすると数日、数週間はかかっているのだろう。その労力がひしひしと伝わってきました。
ビデオアート、メディアアートってとかくアイデアやテクノロジーで作ってしまうものが多いけど、それにうんざりしている自分がいる。なのでこの作品のように体を使って、しかも多くの人と関わり合いながら作っていく作品を見ると文句なく感動してしまう。