イタリアの印象派 マッキアイオーリ展 | 美術館・博物館・展覧会ならミュージアムカフェ
イタリアの印象派 マッキアイオーリ@東京都庭園美術館
ミラノからシエナ、そしてローマへの車窓の景色はこの上もなく美しく、この世の楽園とはこのことか、と思ったものでした。
意外とイタリアの人ってあの長閑な丘陵に古い尖塔の都市がちりばめられている景色を描かないのね。それよりも彼らの関心はやっぱり人物。
子供や農民の女たち。貧しくとも気品のある姿は祖国統一の時期の高揚感もあってのことか。先日見たヴィスコンティの「山猫」の時期らしく、貧しさと失われゆく伝統への視線が重なって見えた。
それにしても、この美術館に来ると「上品」なものがまだこの国にあるんだ、ということを思い出させてくれる。建物はもちろん、ボランティアでしょうか、スタッフの物腰もすばらしい。
数カ月に一度は訪れて心の落ち着きを取り戻したい。このままずっとこのままでいてほしい美術館です。