ロニ・ホーン@RAT HOLE GALLERY
青山のファッション街に隠れたようにある、いつもさりげないけど刺激的な作家を展示しているギャラリー。今回はロニ・ホーンという作家が詩人のディッキンソンの言葉にインスパイアされて作った作品群。アクリルの角柱に詩人の言葉が埋め込まれており、それが大きな展示室に無造作に置かれている。
Night’s capacity varies, but morning is inevitable.「夜の可能性は多様、だが朝が来ることは避けられない」
とでも訳すのだろうか。文脈がないので自信ない。
というように言葉をアート作品で使うときはそれが文脈から分離してしまうことが避けられない。このディッキンソンという詩人はアメリカでは有名で知識人の間では知らない者がいなのかもしれない。また、たとえ聖書の有名な言葉であろうが、その受け止められ方は多様だ。東京ではこの詩人の言葉がどのように受け止められるのだろうか。
また、言葉とは本質的に物事の意味を限定していくものだと思うが、アート作品は物事の意味付けをできるだけ多様に拡散するものとも思う。そこで言葉を使用したアート作品にはその綱渡りを楽しむべきことなのかもしれない。などとこの作品を見て考えた。