ワンダーシード2011@トーキョーワンダーサイト渋谷
ワンダーシード2011は東京都の文化芸術振興活動であるトーキョーワンダーサイトが主催する公募展。石原都知事や小山登美夫ら美術関係者がセレクトした120点の作品が並べられ、即日購入することもできる。
多くの作品が工夫もなく展示されているだけなのだが、先日、ミヅマ・アクションで見た大北奈央がやはり目を引いた。線を引き、彩色することが儀式なのではと思わせるような筆使い。
佐々木成美の「何も言わない」が拒絶力と吸引力のどちらもに強力である。他の作品をもっとたくさん見てみたい。
仁科新の「廃屋」はともすれば日展の洋画家のような感触だが、自信作であるという力強さを発散している。こうした公募展に出品するくらいなので若手なのではと思うが、もしかしたらそうではないような。分からない。
原田悠子の「礼拝」は激しく好みなのだが、小笠原美環がつきまとってしまう。これももっと沢山見てみたい。
それにしてもこの展示会は「”BUY=SUPPORT”(作品購入が若手アーティストの支援となる)をコンセプト」としているらしい。気に入った作品があったらカードを抜いて受付に持っていけば即売可能。あるいはタグボートでネット販売も可能とのこと。
若手作家の支援には購入が一番とは思うが、それまでのギャラリストとのやりとりとか、作家について調べたり、いろんなところでその作家の作品にめぐり合ったりも大きな楽しみである。
そうした部分をすっとばしての即購入には「共感」と「承認」があるのか?作家もそれで喜ぶのだろうか、という納得しきれない気持ちがつきまとった。