ヴィルヘルム・サスナル 16mm films@RAT HOLE GALLERY
ヴィルヘルム・サスナル 16mm films@RAT HOLE GALLERY
表参道のオシャレな住宅街の一角にあるさりげないギャラリーだった。そこでまた渋い作家の個展。ポーランドの作家なんだけど今回の目玉はフィルム作品。入ってもお客さん誰もいず、上映してなかったのでお願いして映写機を回してもらった。
古い大きなクルマの上で踊る女性。そのクルマを修理・塗装。それなのにバラバラに解体する。そしてその上でロックバンドが演奏。うーん不可解。
次は古いラブソングをBGMに写真立ての写真を延々。その次が同じく古い曲をバックにその曲の歌詞をペンでなぞっていく様子の映像。それから炭鉱労働者のシャワー風景。最後が雪だるまにそりを立てかけてこれに火をつけて雪だるまがとけて行く様子の映像。やっぱり不可解。それに観客に対する拒絶も感じられる。
しかし、みているといつかは自分が撮影者の視点に同化しつつあるのに気づく。共感はしていないが、その時間にカメラを回しているのは実は自分であったような気になってくる。そして、もしかしたらいつかは、この作家は何に興味があってカメラを回しているのか、わかってくるのかもしれないなどと思った。
そんな風に、映像をみるという当たり前にしていることが不思議に思えてくる。そんな感覚だった。