二兎社 『かたりの椅子』 | 世田谷パブリックシアター/シアタートラム
二兎社公演「かたりの椅子」@世田谷パブリックシアター
最近の私の活動にあまりに近しいテーマなので興味津々、思わずチケット買ってしまった公演。
市の文化振興財団の天下り理事長、市役所の生涯学習課担当職員、雇われイベントプロデューサー、人と争うのを逃げてばっかりのアーティスト、不遇の高齢市立美術館館長、エセ文化人コメンテーター、アートを商売に役立てようとする地元商店街の有力者などが、町おこしのアートイベントをめぐって繰り広げるドラマ。
あまりによく知っているシチュエーションなので既視感にくらっとなったが、後半心の奥底に踏み込んだ展開にキタキターっと興奮した。銀粉蝶がブリキの自発団時代を彷彿とさせるような妖しい昏い光を放っていた。竹下景子がまだまだ可愛かった。
脚本の永井愛さんは新国立劇場運営委員会の理事で、この芸術監督選定をめぐっての「事件」があったことは有名な話。この芝居はこの件を素材にしています。文化・芸術と公金の支出をめぐっての事柄がここまであからさまに描かれたのは初めて見た。