国立新美術館 THE NATIONAL ART CENTER, TOKYO
福田尚代アーティスト・トーク@アーティスト・ファイル2010
作家さん本人からハガキをいただいてアーティスト・トークに参加してきたました。
福田尚代さんは文字や言葉にまつわる作品を作るアーティストでもあり、回文(前から読んでも後ろから読んでも同じよみになる文)作家でもあります。
なんでも雨ばかり降っている外国で日本語とアートの少ない生活を長くしていたことが、そんな制作活動のきっかけになったと言っていました。その土地で雪の中、停電生活を1週間もしていたことがあって、その時は言葉が雪のようにつぎつぎと降ってくるようだった、との感想が印象的でした。
後ほど展示室で福田さんの回文を見たり、ショップで書籍を買ったりしたのですが、その回文の長いこと!回文作りは制約があり、自分の意図した文章にならないと言っていました。しかし、その文章が最終的には風雅であり、典雅にまとまっているところが不思議。
また、福田さんの作品に、文字を1文字づつ刺繍で覆ってしまい、元の意味がわからなくなるものがあります。それを作っているときは、文字の線を微細な自分が一歩一歩たどっていたようだと振り返っています。
文字の意味よりも文字の形や線のあり方により興味や関心があるようで、興味深い話でした。