多摩川で/多摩川から、アートする@府中市美術館
これまで視界に入ってこなかった美術館なんだけど、タイトルに魅かれてふらっと訪れてみた。
京王線沿線は背伸びしていない住宅地で、平日なのでのんびりムードいっぱいでした。美術館は図書館、市民ギャラリー、オープンワークショップルーム付きの意外と本格的。
企画展は府中周辺に関わりのある作家や作品を集めたもので、特に第2章はややとりとめのない印象だが、大竹敦人は面白かった。ガラス球の内側に乳化剤を塗って、撮影する現地に行ってピンホール撮影するとガラス球の内側に景色が映るというもの。球体から内側を除くとそこに360度パノラマな景色が。
1960年代の「反芸術」時代の活動をテーマにした第1章は面白かった。
中村宏、立石紘一、高松次郎などの活動から、価値観の喪失と建て直しの時代のアートの自由な息吹が感じられた。高松次郎の多摩川の石に番号を書くというプロジェクトなどは、誰に評価されなくても誰が見ていなくてもやってみて、「これでいいのだ」という気分が伝わってくる。
この企画展でこの時代の日本のアート活動にがぜん興味がわいてきました。ハイレッドセンターなどこの時代の活動をもっと見たくなりました。