岩崎貴宏「Phenotypic Remodeling」@アラタニウラノ
岩崎貴宏「Phenotypic Remodeling」@アラタニウラノ
商品箱やパッケージから綿密に切り抜かれて作り替えられた広告タワーや、衣類の生地から一本一本抜かれて形成された鉄塔。
それらはかなくも緻密なアイテムによって構成されたミニチュアのジオラマ市街地は、消費にまみれた私たちの日常を美しくもアイロニカルに俯瞰させる。
そうしたコンセプトもさることながら、しゃがみこんでじっくりと見るとよくわかる、その緻密で綿密な作業は圧倒的。
ジャンパーの生地から一本ずつ抜かれた糸が柱となり、瞬間接着剤で別の糸と組み合わされ、それが大きな作品となっている。
同じくマクドナルドの紙袋を綿密に切り抜き、はかなくも優美な樹木を作った照屋勇賢を思い出す。いずれもコンセプトに偏らず、職人仕事とも言うべき手作業にこだわるところが今日の、しかも日本的な作家の仕事と言えるかもしれない。