幸田千依「入り口の穴、出口の光」@Porto Gallery
先日ミズマアクションで気に入ったこの作家が横浜寿町で個展をしていると聞いたので、用事のついでに寄ってみた。
荒涼とした雰囲気の寿町のこの一角はゲストハウス街となっていて、若い人たちや外国人バックパッカーで人気だそうだ。
幸田がそのゲストハウスのひとつで滞在制作したときの作品が、そこで展示されている。受付前の小さなロビーと客室の廊下に数点。いずれもドローイングで習作といったもの。
ミズマの作品は完成度の高いもので感心したが、この種の習作をいくつも展示してしまうのはどうなのかと思った。
ドローイングやスケッチを額に入れて作品と並列にならべることが最近ではよくあるが、スケッチはアーカイブであって作品ではないと思う。アーカイブにはそれなりの展示方法がある。
どこまでが作品でどこまでが習作なのか、作家が自分の展示をするときにはそこを見極めなくてはならないんだと当たり前のことを思った。