曽根裕展 Perfect Moment@東京オペラシティ・アートギャラリー
曽根裕展 Perfect Moment@東京オペラシティ・アートギャラリー
銀座から初台まで足を伸ばして引き続き曽根裕。
やっぱり、どうしてもこの人の作品には興味が持てなかった。たぶん、もう個展には行かないだろうと思う。
1990年代のビデオ作品、「ナイト・バス」と「バースデイ・パーティ」はアート・プロジェクトであるとのことだが、川俣正を知っている今日のいちアートボランティアからするとあまりにもパーソナルであり、自分のお友達周辺に収まっているように思える。
大理石彫刻の作品は大きさが中途半端で、構築への歓びやのびのびとしたユーモアが感じられない。
これは中国の職人たちとのプロジェクトワークとのことだが、同様のことをしているアイ・ウェイウェイやアニッシュ・カプーアほどの徹底もない。
もの派の作家が自分で石を積み上げたり、鉄塊を叩いたりと徹底した手作業をした作品には、肉体の感動が宿っていると思う。
一方、コンセプトアートの作家には社会への挑戦、嘲笑への怯えに対峙する理論の構築がある。それが作品に精神の歓びを宿らせていると思う。
さらに若い世代がネットを通じてつながることから気持ちの良い成果が出ている。(これとか)
いずれの取り組みも立ち位置を斜めにせず、対象に正面から向きあったことの成果だと思う。
昨日の毎日新聞によると小谷元彦、曽根裕、高嶺格が次代を狙う三羽烏なのだそうだ。(アートの風:1月 小谷元彦展:幽体の知覚=三田晴夫)どれも部分的にしか見たことはないが、そうだとするとその「次代」が心配になった。そして、その「次代」の現在を見届けたくなってきた。小谷、高嶺も行ってみよう。