朝海陽子展「Conversations」@無人島プロダクション
朝海陽子展「Conversations」@無人島プロダクション
若手写真家による理系男子の写真展ということで清澄白河まで行ってみた。
普通の会社のオフィスはドラマとかニュースで見かけることもあるだろう。しかし、こうした理学系の研究者の日常は一般になじみないものだと思う。
朝海は、白々とした蛍光灯の下で黙々と実験を繰り返す若手研究者たちの姿を端正に切り取っている。
彼らの中には白衣姿もいるが、ジーンズにパーカー姿でシャーレに向かう人もいる。
また、手近の椅子に無造作にバックパックが置かれていたり、研究書に混じって海外ドラマのDVDパッケージが見えたり。そうしたディテールから彼らの日常が垣間見えるのも面白い。
ギャラリーの人に聞いたところ、朝海は対象が何かに没入するときまで待っての撮影するのだそうだ。
たしかに彼らの眼差しは作業に没入している様子で、ややもするとアブナイ科学者のイメージもかもし出している。そこがまた面白い。
アートと科学の融合と誰もが言うのだが、おおむね奇をてらったり、バランスが悪い結果が多い。アーティストがこうした研究者の日常を淡々と表現する取り組みがもっとあってもいい。