椿会展2010 Trans-Figurative@資生堂ギャラリー
椿会展2010 Trans-Figurative@資生堂ギャラリー
資生堂ギャラリー選抜作家による連続展の最終回。同じ作家を3年間にわたって紹介し続けるという取り組みだから成長や変化がよく分かる。
やなぎみわの赤い靴は超小さいのから超大きいのまであって、そこはかとなく笑いが湧いてくる。
これもいいが、やっぱり一番目立つのは伊庭靖子。200号くらいのサイズいっぱいにあの気持ちよさそうなクッションが今度は何個も描かれている。前に立っていると感触の心地よさと陽だまりの温かさにくるまれるようです。
対面にあるのが丸山直文。あの大きいキャンバスでにじみやぼかしを描くのってけっこう思い切りが必要だろうなと思った。
その隣の袴田京太郎の輪切りコビトは相変わらずユーモラス。表情は見えないんだけどきっと悲しそうなんだろうと思えてくる。
小部屋とのつなぎにあるのが祐成政徳の大物オブジェ。タイトルが「Bridge Over Flat Water」なんだけど、これってあの「Bridge Over Troubled Water」のオマージュ?「問題のない水にかかる橋」という意味?それにしてはそれぞれの橋脚の素材が違っていて問題のない橋をかけるにもいろいろと苦労が…という意味か、などど考えてしまいます。
そして最後の作品が塩田千春のビデオ作品。横たわる裸体の女性にまとわりつくチューブに血液を思わせる赤い液体が行ったり来たり。WiredやTubedという状態で時折うごめく様子は苦痛なのか快感なのか。あとで聞いたら本人出演で配偶者が撮影だとのこと。
小さいギャラリーだし点数は少ないのにこの満足度の高さは一体なんでしょう。資生堂ギャラリー、ほんとにいい仕事していますね。