池田亮司@ギャラリー小柳
昨年は都現美でもYCAMでも名古屋城でもみてるのですが、どこかで展示されていると言われればいそいそと出かけてしまうのが池田亮司。
高精細のスクリーンにいくつかのパターンで表示される膨大で意味ありげな数値群。それにぴったりと同期される刺激的で快楽的なサウンド。圧倒的な情報量に浸され、満たされるという陶酔感が忘れられなくなる。
近づいてよく見ると、高速に変化する微細な文字列も高解像度モニターのおかげできちんと読める。それを理解しようとじっと見ていると、いつのまにかそれらの意味を把握できるような気がしてくる。
松本零士メーターも読み取りがたいが、これからは池田亮司インターフェースを瞬時に理解することが新しい人類に必須の性質なのかもしれない、などと空想する。ガンダムシードのコーディネーターのように。
それは置いといても、池田亮司作品と対面していると、なぜか宇宙と繋がっているような気持ちになってくる。彼はこれら膨大な情報の発信によって宇宙との連絡を試みているようです。
名古屋城で見たspectra [nagoya]も、あの成層圏に届くような光の帯と電子音楽で宇宙への物理的回路を打ちたてようとしているようだった。
また、それは祈りに通じるものがある。「未知との遭遇」の音と光の対話のシーンが思い出された。