藝大先端2011東京藝術大学 美術学部先端芸術表現科 卒業制作展東京藝術大学大学院 美術研究科先端芸術表現専攻 修了制作展 – whatsnew
藝大先端2011@BankART Studio NYK
東京藝大の先端芸術表現科、学士、修士課程卒業生の卒制展。BankARTの上から下まで使って盛大だった。
インスタレーション、パフォーマンス、映像作品と現代アートっぽい作品が並び、そのいずれもがそつがない。しかし、どれもどこかで見たことのある感じで、ハチャメチャなものがひとつも無かった。
手法は手馴れているのだが、伝えざるを得ない何かがあって、これを具現化する手法はこれであったという動機が読めない。
その中でも笑いについてのビデオ作品を制作した呉弦佑が、カメラのこちら側にいる者の存在感を映し込むことに成功している。
また、その奥の部屋の衣笠木乃美の魔女の部屋っぽいインスタレーションは、男性は見てはいけないもののようで、生々しさが匂うようだった。
学部生によるアーティストトークは良い取り組みだった。学生は自分の作品を言語化することを求められているとのことで、それぞれ拙いながら懸命に伝えようとする姿に好感を持てた。
東谷、小谷、辛という業界人を揃えたシンポジウムにも参加した。東谷の釜山ビエンナーレについて、小谷の森美術館での個展の構成について、辛のアイ・ウェイウェイについてなど興味深い話が沢山聞けてよかった。
しかし、最初の質問で「就職決まった人?」。「ゼロ」。という学生の現状を鑑みて、「メディア」とか「展覧会」ではなく、アート業界に人生をかけることについてのもっと真剣なテーマでもよかったように思う。
単なるアート業界人の自慢話だったと言われても仕方ないような内容だったのは、テーマ設定にも原因があると思う。
それにしてもこの展示会、ウェブサイトとチラシは素人離れした出来だ。まさかとは思うが、業者にたっぷり制作費払ってたりしたら嫌だな。