陰影礼賛 国立美術館コレクションによる@国立新美術館
東京国立近代美術館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館(東京)、国立国際美術館(大阪)という、アートファンじゃなくても誰もが行ったことのある日本の国立美術館の収蔵作品による企画展。
日本の近代から前衛、西欧の古典・近代・前衛、日本画、造形とバリエーションが豊富。なので、誰もが予想する通りテーマがあってもかなり散漫な印象。
それでもあちこちの常設で見たことのある大作や、キラっと光る小品が次々と展開される様子は壮観のひとこと。チケットの価値を大幅に上回る展覧会とはこのことです。やっぱり私はトリエンナーレとかビエンナーレといった大規模で総花的な国際美術展が好きなんだなと自覚しました。
光の歓喜とも言うべき印象派の影の表現はもちろん、近代の写真家が影で楽しげに遊んでいる様子、版画・エッチングのダイナミックでドラマチックな光と影も楽しかった。高松次郎の有名な影もありました。
図録をチラ見したところによると、この企画展は各美術館からメンバーを出して協議しながらテーマや作品を決めていったとのこと。それぞれの美術館の考えがあるのでテーマを決めるものたいへんだったでしょうね。これからも面白いテーマを出して、毎年やっていただきたい企画展です。
先日、竹橋の「意味ありげなしみ」でも見た丸山直文の「Garden 1」に再会。やっぱりこちらの天井が高くて照明のいい部屋で見るとさらに気持ちがいい。秋岡美帆も同じく。
それにしても国立西洋の額装は飛び抜けて立派だった。他の美術館の作品と並べて見るとよく分かります。