飯田竜太「verbalizes –出会えないから言葉で–」@Takuro Someya Cotemporary Art
飯田竜太「verbalizes –出会えないから言葉で–」@Takuro Someya Cotemporary Art
文字部分を切り抜いた巻物や、文庫本を彫刻することによって形成されたオブジェ群。
福田尚代も同じく本を素材にしたオブジェを作る人だが、福田は自らが回文作家であることもあり、より書かれている内容に思い入れが深いように思う。
飯田はむしろ掘り込むことによって浮かび上がる文様や、切り抜かれた紙面のパターンの驚きに興味があるらしい。
書物を素材にするのであれば、それに書かれている事柄やそれを読んだ者の思い入れが作品の周囲にまとわりつくのは避けられない。飯田がそれをどのようにさばくのかに興味がある。今後に注目したい。
福田の過去の作品で、並んでいた文庫本の背表紙を見たことを思い出した。ケストラー、光瀬龍、アシモフ、ハインラインなどがあるのを見て、彼女にわけもなく親近感を覚えた。