A x T press アーカイブ展@企画ギャラリー明るい部屋
ここは毎週1回の企画展を実施している若手の写真ギャラリー。毎日新聞の記事にも取り上げられて気になっていたところ。
今回の企画展はこの「明るい部屋」と、清澄白河の企画ギャラリー「TAP」が共同で出版することになったA x T pressという雑誌の参加写真家のグループ展。
四谷三丁目の飲食店街のビルの狭い階段を上がった小さなギャラリー。すごく狭い部屋に9人の作家なのでどうなんだろうと思ったが、展示方法が工夫されている。
各作家の作品が縦に一列、2000年から2010年まで上から順に配置してある。その隣に各人の履歴書が貼ってあって、そこに顔写真や連絡先、過去の個展履歴が手書きで書かれている。短期間に数多い展示会をこなしているだけあり、さすが展示会慣れしている。
作家の中で気になったのが秦雅則。旅の記憶のようなモノクロの映像。人との出会いがあっても、手の届かないはるか過去のことなのでしょうか。
村越としやは、典型的な日本の田舎の風景を、人物を一切写さずに切り取った。郷愁を拒絶するかのように、厳しさをもって迫ってくる。
斎藤明彦の街の瞬間を切り取った作品群に一番惹かれた。
用事で街を歩いたり通勤や地下鉄に乗ったりするときにも、はっとする景色や人のしぐさを目にすることがありますが、大抵は直ぐに忘れてしまいます。彼の作品はそうした目にはしても忘却してしまうような記憶を針でつついて刺激してくれます。
今日の若手の写真家を見て、一体写真という表現はどういうものなのか、あらためて考えたいと思いました。