アートアワードトーキョー丸の内 2010@行幸地下ギャラリー
美大の卒展から選抜された作品でグランプリを決めようという取り組み。場所がそもそもオフィス街の地下通路なので、ウィンドウショッピングをするみたいに端からガラスケースを見ていった。
三波千恵、カーテンの形が色っぽいのと鉛筆によるテクスチャが禁欲的でさりげなくコントラストがある。
榊貴美の赤いワンピースの子ども群が不気味かつかわいい。
黒川潤の大型モニター三面による顔面は見ごたえある。しかし、見栄え以上の深みがほしい。
平井春香の赤いコーンをかぶった女性の作品に訳も無く惹かれた。
八幡亜樹のヤマンバパンが一番じっくり見れた。対象に近づきつつ入り込みすぎないという距離感から、作家のとまどいが伝わってきて、若い作家としての好ましさもある(そういえばこの人、六本木クロッシングでも見た)。
佐藤翠の物欲を作品に昇華した取り組みがいさぎよかった。
作品点数が多く、見ごたえ満点なんだけど、しょせん地下通路なので足早に通り過ぎるスーツ族が多い。そんな人達を背後に一点ずつ見ていると、やはりアート作品を鑑賞するにはそのための空間が必要なんだなと再認識した。
丸の内界隈をアートするんだったらもっと予算をつけて本気出すべきでしょう。日本の顔とも言える地域なんだから文化庁や千代田区、大手企業からも引き出せると思いますよ。