Cinema=Movement/1960s@第3回恵比寿映像祭
Cinema=Movement/1960s@第3回恵比寿映像祭
これも平沢剛プログラムによる上映会。上映作品は、60年代の前衛映像作家、城之内元晴とおおえまさのりの伝説的作品。
「ドキュメントLSD(1962年)」は自らが被験者となったLSDの摂取実験をとらえたサイレントのドキュメンタリー映画。
「WOLS(1961-1969年)」はドイツの抽象画家ヴォルスの絵画を超接写とコマ撮りで捉えた実験映画。
「ゲバルトピア予告編(1968年)」は同年の新宿騒乱の様子を詩的に捉えた映像。
「新宿ステーション(1974年)」は城之内本人がポエトリーリーディングで出演した新宿周辺を素材にした作品。
最後におおえまさのりの6面マルチ映像による社会と政治状況の表現、「Great Society(1967年)」。
おおえの作品は、当時の社会情勢の映像によるめくるめく映像コラージュ。たしかこれは草月アートセンターでのイベント「なにかいってくれ いまさがす」で上映されたものだったと思う(未検証)。
いずれも、アートにおいては前衛の時代が、社会においては学生運動が盛んであった時代を感じる、実験的な映像だった。日本の映像文化の重要な一断面に触れることができた。アフタートークも良かった。
それにしても恵比寿映像祭は、現代アート、アニメーション、コンピュータグラフィックス、軍事目的のゲーム映像と、目配りの広さに感嘆する。現代の映像文化をオーバービューさせるという目的を果たしている。
映像祭といえば、一昨年の「ヨコハマ国際映像祭」があり、これにはボランティアとして関わったのだが、何から何までがっかりした。
恵比寿映像祭は、年に一回見に行けば映像アートの現代が分かるものとして今後も続いてほしい。