アトミック・サンシャインの中へ – 「日本国平和憲法第九条下における戦後美術」
「アトミックサンシャインの中へ」@代官山ヒルサイドフォーラム
照りつけるような日だったけど無謀に片道40分の自転車旅。やや交通量の少ない明治通り沿いに、時折コンビニで涼を採りつつ水分補給もしながら渋谷駅前を抜けて、並木橋交差点を右折して代官山へ。
今回の目的は代官山ヒルサイドフォーラムでやっている展示会「アトミックサンシャインの中へ」。
憲法第九条をテーマにした現代アートの展示会。いまどき珍しいテーマ性を前面に出したものでかえって興味をそそられた。
先日原美術館でも見た照屋勇賢の「さかさ日の丸」。
日の丸ってたしかに逆さにしても日の丸だけど。。。というクスッとさせられるような、軽やかな批判精神が沖縄の若手作家らしかった。
アローラ&カルサディーラ「決められないゴール」
ビデオインスタレーション作品。夕暮れのグラウンドというありふれた日常の風景にある対立と融和ののゆるやかな時間。映画じゃない、テレビ番組でもないこういうビデオ作品って好きなんです。
下道基行「無題(鳥居)」
アジア各地に残る鳥居の現在の状態を撮影している。ある鳥居はジャングルに埋もれ、ある鳥居は倒されて地元住民の憩いのベンチになってる。
エリック・ヴァン・ホーヴ「日本国憲法 みみず アウトダフェ」
那覇市の農連市場に大量のミミズを入れた箱を設置し、野菜くずといっしょに憲法文を食べさせたらもりもり分解して。。。その分解する音をヘッドフォンで聞かせるという作品。まわりくどくてコンセプトが立ちすぎ。どうして日本好きな欧米人ってこうなんでしょ。
他にも面白い作品がたくさんあったけど、全体見て思ったのは若手作家ってテーマが憲法でも大上段なところがない。今の若い人たちって、どんなテーマでも大きい声だけじゃ伝わらないことがわかってるんじゃないだろうか。私はそこにかえって希望を感じた。
それにしても火曜日の午後は来場者が私一人。最初から終わりまで。それこそ淋しかった。
それからヒルサイドテラス並びのカフェミケランジェロへ。日差しの照りつける旧山手通りを、冷房の効いたところから眺めながらワインとサンドイッチ。しばしくつろぐ。