ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー|東京オペラシティ アートギャラリー
ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー@東京オペラシティ アートギャラリー
写真だけでオペラシティで企画展とはハコが大きすぎないかと思ったが、密度も多様性もある満足度の高い展示会だった。
撮影対象も、街と家族、外国の未亡人、広告写真、マクドナルド、自然環境保護活動、野生の生と死など多様。
その見せ方も廊下に小パネルを並べるというオーソドックスな形式から、床にフラットに設置したり、あるいはドローイングと組み合わせたりとこれまた多様。
「Widows」のアマチュアフォトとの組み写真は作家性を控えさせ、被写体の人生を浮かび上がらせている。
「re-constrauction」では作家自身のコマーシャルフォトにおける仕事をまとめて展示会場で立ち読みさせるという手法だった。そもそも写真は絵画や彫刻と違って、指でページをめくって鑑賞することが成立するジャンル。それを再確認させてくれた。
しかし、ひとりの作家の全体を見渡せる展示会として満足したが、その満足感は7個の個展を見たときのものに等しい。それはこの、アイデアが豊富で、技術が高く、興味の多様な作家の成果群に通底するものが見つからなかったからだと思う。