椛田ちひろ – 目をあけたまま閉じる | 展覧会 | ART FRONT GALLERY
椛田ちひろ – 目をあけたまま閉じる@アートフロントギャラリー
椛田は先日、都現美のMOTアニュアルでも見て、ボールペンを使った巨大で綿密な作品に圧倒された。作品の前に立つと、ひたすら線を描き、塗りつぶす作家の姿が容易に想像できる。そして膨大な線によって塗りつぶされた闇の陰影からオブジェが浮かび上がってくる。
ギャラリストの方とお話ししたが、こうして膨大な手作業によって自分の作品を作るという姿勢は、日本の作家に特有のもの。そして、それが日本の作家が世界に対して戦っていける特徴とのこと。
内外の有名作家のように、予算を獲得してあとは職人さんや展示制作業者にお任せ、という作品制作を多く見てきた。なので、このように作家がこの作品の前で何時間も時間を費やしてきたことが明らかに分かる作品を見ると無条件に応援したくなる。
あとは作品がいかに社会性や美術史の文脈を取り入れていくかだが、それは後でもいい。今はひたすらこの行為を見ていたいと思う。