金沢21世紀美術館
年に一度の親孝行で、母を連れて金沢へ行きました。ただし、行きは夜行バスで安上がりに。ひがし茶屋街で一旦解散してから、私ひとりで21世紀美へ。
特別展はイエッペ・ハイン。彼は一昨年、森美の「万華鏡の視覚」展でジム・ランピーとコンビにされていた作品を見た。その時もミラーボールの作品だったので、どうやら彼は鏡を使うことが多いようだ。
廊下に展示してある人文字の作品「映してください/考えてください、金沢21世紀美術館」はスタッフと一緒に作ったらしくとても楽しそう。その他の作品は大なり小なりの体験型インスタレーション。特にワイヤレスの振動ヘッドセットを使った「見えない迷宮」は面白そうだったが、行列がすごくて断念。
常設とコレクション展でアニッシュ・カプーアが見られたのが幸せ。「世界の起源」「白い闇」はどちらもシンプルながら奥行きのある感覚体験。こどもが「モノ投げたらどうなっちゃうんだろ」「吸い込まれたら、もう戻って来られないね」などと話していた。しっかり現代アートを楽しんだね。
彼にはシカゴの「クラウド・ゲート」など大規模な作品もあるが、日常感覚を惑わせるような作品作りというコンセプトは変わっていないと思う。
その他、ジュゼッペ・ペノーネの巨大インスタレーション「伝播」は、大きな展示室の端から端まであるような透明樹脂の樹と水たまりのある作品。イタリアのもの派、アルテ・ポーベラということでとても私好み。
レアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」は中も外も楽しんだし、ジェームズ・タレルの「ブルー・プラネット・スカイ」も楽しんだ。
しかし、一番気持ちよかったのはマイケル・リンの壁の前で揺り椅子に座ってヤン・ファーブルとパトリック・ブランを眺めていること。
建物については、円形に方形の展示室が平行に並んでいるのは確かに面白い。しかし、動線が混乱して展示構成は苦労しそう。それにどの部屋も天窓があったりと本当のホワイトキューブではないので展示を選ぶだろうと思った。
あと、地下ギャラリーから見た突き上げ型エレベーターはメカニカルでガンダム萌え。人々が上下するのをしばし眺めてしまった。