Bill Viola: Transformations@ギャラリー小柳
Bill Viola: Transformations@ギャラリー小柳
ビル・ヴィオラはナム・ジュン・パイクと活動したこともあるベテランのビデオ作家らしい。書籍で名前は聞いていたが見るのは初めて。
作品は人物が濡れながら歩き去っていくものや群像が水しぶきをあびせられているものなど。それも散文的趣きがあっていいのだが、文脈が分からないと楽しめないのではないか。
西欧の作家はたいてい宗教や文学作品からインスピレーションやモチーフを得ていることが多い。ウェブの情報によるとヴィオラのテーマは生と死、再生らしいから、今回の作品もそれとつながりがあるのではないだろうか。それが分かれば広がりのある鑑賞ができるのにと思った。
ところで、近年こうした大規模なスタジオ撮影作品らしきメディアアート作品が増えたのは、ハリウッドの映画産業の供給過剰によるものではないか。
今年の恵比寿映像祭ではスーパーフレックスの「マクドナルド浸水」があった。これもどこかの映画のシーンのようで、空いたスタジオを使って現代アートでもやってみようかというノリが感じられた。
ハリウッド映画お手の物のスタジオワークとコンピュータグラフィックス、それとメディアアートの結合はこれからどんな映像を生み出すのか、とても興味深い。