G-tokyo@森アーツセンターギャラリー
こちらはとても手が届きそうもないハイソな雰囲気のアートフェア。その雰囲気を楽しむために六本木ヒルズまで毎年出かけている。秋葉原のTOKYO FORNTLINEからハシゴすると日本のアート業界の格差が楽しめる。
先日、DOMANI展で見た児島サコが小品を集めたウォールにあった。DOMANIにあった大きめの作品はテーマが先にたっているようで印象がよくなかったが、今回の「朝までに家に帰りなさい」と「KING AND QUEEN」は絵かきとして手を動かすことが先行した感じがあってよかった。
NANZUKAエリアに田名網敬一の作品群があった。トリニトロンのモニターで見る70年代のアニメーション映像は、懐かしくもあったがクオリティの高さにあらためて感心。
今年のG-tokyoではワコウ・ワークス・オブ・アートで見たミリアム・カーンが最も収穫だった。70年代から活躍しているイスラエルの作家と聞いた。非現実的な風景にエッジの定まらない形態。夢の記憶をなんとか再構成しようと苦闘しているかのような絵画作品。どういう精神風土なのだろうかと気になる。忘れられない映像だった。近日中に個展もあるとのことなので、ぜひ行こうと思う。
あと、アラタニウラノで久しぶりに小西紀行を見ることができた。定着の悪いマチエールでポートレートや群像を描くことは変わらない。小西の描く子供や家族は、可愛いが目が赤くて点だけだったりとブキミ。だが、私たちの普段の生活で感じる、他人と理解し合っている感覚とディスコミュニケーションを感じることの境界、それが大きな振幅で揺れ動いていることを伝えているような気がする。