p̓W]uVOCAW2012 |Vʂ̍Ƃvb̐Xpف@The Ueno Royal Museum
VOCA展2012@上野の森美術館
今年のVOCA賞、鈴木聖亜「絵が見る世界11_03」は、絵を描いたり絵を見るという「感性」より解釈という「知」が勝ってしまったような気がする。私はむしろその向かいにあった高橋芙美子「はざま」の方に惹かれた。コンクリの壁を塗り込めたようなざらつきに表面的な拒絶と遠まわしな受容の感覚を覚えた。
先日、あざみ野で見た桑久保徹の「Study of Mom」が真っ向から311の風景を描いているようで、寒々とした風景ながら心引かれた。中心にある看板に「In the sea fog dessolve myself and flood rise up river embrace the earth」とある。からっぽのベビーベッドや読まれなかった本が積み上げられた街に魂のようなオレンジ色の浮遊物が浮かぶ。そうした風景を包みこむかのように遠景に雪を抱く山脈がある。これからの成長を見届けていきたい作家だ。
同じくあざみ野で見た糀田ちひろも3点もの「影の声」を出していた。私はやはり描いているという行為がキャンバスに残っている作品が好きなのだと認識した。
ところで、同時期にやっていた上野の森美ギャラリーでは、巨大なキャンバスに暗い色調のノイズのような画面、しかしかすかな希望のような光を残した典型的な抽象画を見ることができた。これはどこかで…、と思って調べてみると一昨年に神奈川県美・葉山のプライマリーフィールドで見た東島毅だった。気になっている作家は忘れないものだ。