ULTRA004 Event schedule | galleryneutron
ULTRA004@スパイラルガーデン
若手ギャラリストによるアートフェア。ギャラリーではなくギャラリストが前面に出るところが新しい。10月末の3日間をオクトーバーサイド、11月初めの3日間をノヴェンバーサイドと呼ぶ展示入れ替え制だったので2回に分けて訪問。
オクトーバーの方で気になったのがStanding Pine Cubeの西田菜々子。室内なのに山があったり鹿がいたりの風景をざっくりとしたマチエールで描いている。それから和田画廊の太田拓美。山奥の電波望遠鏡や野原の風力発電機の写真。柴田敏雄も畠山直哉もそうだが、自然と工業と人間というテーマが芸術写真の分野としてしっかりと根づいたことを感じた。
SNOW Contemporaryにあった山川冬樹の放射線測定器とエレキ・ギターによるインスタレーションはかっこよかった。キッチュな造形だがテーマはハード。測定器の対象はサンプルの放射性物質とのことだが、本来は山川が教えている大学の土を使ったらしい。
ノヴェンバーではギャラリー椿の坂口トモユキが衝撃的だった。ごく普通の住宅街にある普通の住宅を撮った写真なのだが、生まれて初めて見たような景色だった。人間とは違う映像認識機能を持ち、全く違う文化を持った知的生物が、夜の東京に来て住宅街を見ているような映像。どんな撮影方法なのか分からないが、かなりポストプロセスがないとこうならないのではないか。これからも注目したい。
他には渋家(シブハウス)というシェアハウスがここに同居しているアーティストの作品を展示していた。引越し記念のヌード群像写真もいい感じだったし、絵画作品も美大とかギャラリーの影響からふっきれた爽快感があった。シブハウスの創始者としばらく話をしたが気持ちのいい若者だった。
展示会場について。よくあるアートフェアでは展示はブース形式。しかし、ULTRAはウォール形式であるため、立ち止まってじっくり見ることがしにくい。放射状のウォールもどんな動線で見ればいいのか分からない。青山でやらずに少々足の便が悪くてもいいから広々とした所でやればいいのに。