ハイレッド・センター:「直接行動」の軌跡展@渋谷区立松濤美術館
ハイレッド・センター:「直接行動」の軌跡展@渋谷区立松濤美術館
あちこちで見ているものばかりなので目新しさはないのだが、反芸術の時代があらためて注目されるのはそれだけでうれしい。
実際、会場には平日の午後なのに若い人々が多く見られた。
資料に山手線ハプニングを取り上げた「形象」があった。あと、中原佑介が寄稿している「不在の部屋」のチラシも。
今泉省彦の記事を読んでみたかったがどこかでどこかで読めないものだろうか。
考えてみればこの時代は美術家と評論家が密接だった。ひるがえって今日の両者の距離はどうだろうか。指で数えられるくらいしか実例がないのではないか。
アートシーンが言語表現を失うと感性のみが残される。「キレイ」とか「ステキ」とか「誰もが楽しめる」とか裏付けのない言葉だけが作品の周辺を漂うことになる。
この責任は美大の先生に収まってしまったアートの評論家、批評家にあることは明らかだ。
それにしても会場のキャプションが斜めで字が小さくてしかも赤い字で読みにくい。雰囲気はいいのだが資料として表現方法をもっと考えるべき。
オープン前の内科画廊の写真は初めて見た。宮田内科、呼吸器科、X線科とあった。それから藤田工務店のことだろうか藤田組の花輪の祝旗があった。
こんなところに何でも残しておくアーカイブのスピリットが感じられた。
アートアーカイブはそこが面白い。