■12/23[月祝]まで 「森村泰昌 レンブラントの部屋、再び」[原美術館]
森村泰昌 レンブラントの部屋、再び@原美術館
ヨコトリサポの遠足企画で行ってみた。1994年に原美で行われた展示会の再現だそうだ。その時もいたという学芸員の方が説明してくれた。
森村のこうした「なりきり作品」にはいくつかの意味があり、議論があったと思うが、いずれも90年代らしいシンプルな「絵画は死んだ」以降の絵画への問い直しだと思う。今日そうした議論にはまったく興味をひかれない。
それよりも森村のこの「なりきり」への情熱にうたれた。
画面を詳細に見ると明らかな筆のタッチが認められるため、これは描いたものなのでは?と質問してみると、いやそうではなく撮影した写真をキャンバスに印刷したものとのこと。背景のブラシパターンは実際にこれを描き、背後に配置した。また、手の甲に落ちる袖の影はメークアップの結果だという。
そこまでやるのか。撮影と完成品に関するただならないこだわりに感動した。そのこだわりにはやはり、なりきりへの強い嗜好があるのだろう。
それは今日のコスプレーヤーたちの情熱にもつながる。彼女/彼らの動機は注目を浴びて人気者になることにない。情熱を傾けて敬愛するキャラクターと同化することが最大の動機なのだ。たとえ太ってて似合ってなくても問題ない。なりきっている時の彼女/彼らの目の色を見ていればそれはわかる。それと同じ目の色を森村に見た。