「日本会議の研究」菅野 完
コピーは安倍政権を牛耳る秘密組織のような惹句ながら、実際は書名通り日本会議という団体についての調査研究書である。
フリーメーソンやユダヤロビーのように闇から政治経済を操る怪しい組織でもない。70年代や80年代の右派学生運動を出発点として、生長の家を通じて継続・発展した団体が、今日では安倍政権のブレーンになったというだけの話。
共産党、創価学会に少しでも通じていれば手法も組織も目新しいものはない。組織そのものに勢力はない。
ただ、確かにこれまで誰も注目していなかった団体に光をあてたという意味はあったと思う。
それから「日本が右傾化しているのではない、地道な右派勢力が政治勢力に確実にくいこんでいるだけ」という考察はなるほどと思った。