自立生活を模索する重度知的障害の人々とその支援者の日常を追ったドキュメンタリー映画。
「ともに生きる社会」を考える神奈川集会実行委員会の主催での自主上映会。スタッフが気持ちのいい対応で、来場者もよい時間を過ごした。これが自主上映会の醍醐味か。
家族に対する暴力やあたりかまわない奇声など、綺麗事でない現実を、ぼかしや音声変換で隠さずつまびらかに語った佳作。そのままでの公開に踏み切った製作者と許可した当事者に拍手を送りたい。
相模原やまゆり園事件で一命をとりとめた被害者もこの映画に出ているが、事件を受けて施設の再建が閉ざされた施設でなく地域で受け入れる方向であることに明るい兆しをみた思いだ。
この映画では介護の携わる人たちについても問わず語りに語られる。彼らもまた多様な人生を送ってこの職種へたどり着いたことがわかる。
介護職と言えば低賃金長時間労働がクローズアップされ、多くの奉仕精神を必要とする職業のように勝手に思っていたが、彼らが立派に家族を養っていけるだけの収入を得ていることが垣間見えた。