『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治

「ケーキの切れない非行少年たち」宮口幸治

少年非行について認知機能という面にフォーカスし、考えるきっかけとなる一冊だった。

宮口は少年院勤務の経験のある臨床心理士。その非行少年ケアの提言は、そもそも非行少年(少女)たちは認知能力が低いので、その対策をしない限り更生は期待できないということ。

問題はそのことに気がついていない関係者が多く、紋切り型の対応を継続し、結果として再犯者を生み出すことになっているらしい。

しかし、彼がいう認知機能トレーニング「写す」「覚える」「見つける」「想像する」「数える」が、非行少年の問題を解決するというのはどうだろう。また、彼らの家庭環境、彼らの保護者の側にある問題にどう対応するべきかも聞きたかった。