映画『ママ、ごはんまだ?』
台湾名家の父と日本人の母、そして一青姉妹は姉の妙が幼少のうちに日本へ引っ越しした。この映画は、その姉が父の人生、母の人生を追って人と出会い、これまで気づかなかった人生の事実に出会うというはなし。
昭和の日本、揺れる台湾社会、そして女手ひとつで娘たちを育てることになった母の人生。それは平凡なものではあるがその人生の機微こそが尊いものであるとこの映画は認識させてくれる。
思えばこうした市井の凡人の人生を綿密に描いた映画が昔はたくさんあった。そして私たちはそれに涙したものだ。
映画ではこの母が台湾から持ち帰った台湾料理が存分に振る舞われる。台所には大きな丸いまな板と幅広の中華包丁。そして中華鍋に蒸し器がある。「ごはんよー」の声とともにテーブルに並べられた料理の美味しそうなこと(煮込み豚足)!
それからダイナミックな昭和のママを演じた河合美智子がこんなにいい役者だったとは知らなかった。脳梗塞で入院したと聞いたがそんな様子はぜんぜんない。