「英語独習法」今井むつみ
認知科学、言語心理学、発達心理学を専攻する研究者による実践的英語学習法。世の中によくあるノウハウ集や学習参考書とは違って人間の言語認知のしくみから効果的な第二言語の習得を提案する。
基本的な考え方は日本語と英語の「スキーマ」の違いを理解すること。そのためにコーパスや各種ツールを使ってひとつの言葉がどのような文脈で多く使われているのか、言い換えるとしたらどのような単語や熟語があるのかを常に意識することだという。
SkELL, COCA, WordNetなどそのためのツールの紹介や使い方が詳細である。
https://skell.sketchengine.eu/#home
https://www.english-corpora.org/coca/
http://wordnetweb.princeton.edu/perl/webwn
「多読、多聴よりも熟読」「幼児期の外国語教育は意味がない」「大人になってからでも遅くない」など結論的にはありふれたものである。本書の価値はこうしたネットツールの活用によるじっくりとした取り組みのススメであろう。