映画『アメリカン・ユートピア』デイヴィッド・バーン
『ストップ・メイキング・センス』が1984年だったから35年ぶりのデヴィッド・バーンのライブ映画。監督はスパイク・リー。
『ストップ…』が素晴らしくってDVDで何度も見たが今ではYouTubeで全編いつでも見られる状態になった。あの地明かりの素のステージから曲ごとにミュージシャンや楽器が出てきて出来上がっていくという構成にすっかりやられた。
こうしたコンテンポラリーな演劇的ライブはこの新しいライブでも追求していた。チェーンで囲まれたほぼ四角いステージはミュージシャンが出入り自由で、時にはスクリーンになったりシンプルなライティングで影をキャスティングしたり。
ところで『20センチュリー・ウーマン』ではトーキングヘッド好きを公言した少年がハードロックファンにいじめられるシーンがあったが、あの時代にはロックの都会派 vs. 田舎派があったのだなあと思った。
それにしてもデヴィッド・バーンのトークは知的で洗練されていた。ふつうのバンドが曲の合間にするのとはずいぶん違う。
テーマも選挙人登録を促すものだったりと社会問題のあるところが日本のとは違う。BLM運動の一環とも言える曲もあったし。
こうした知的なライブはなかなか体験できるものではない。