『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』ルイス ダートネル

『この世界が消えたあとの 科学文明のつくりかた』ルイス ダートネル

何らかの原因で世界が破滅してから生き残った人類が科学文明を取り戻すためのノウハウ集。

農業、紡績、製鉄、発電、印刷、電気通信などの技術とそれを支える科学の成分分解が興味深い。しかし、破滅後にも消えない問題としてメルトダウンした原発の廃炉について触れないのが納得いかない。

また、それらの科学と技術の展開を実現するための社会体制について章を割いてほしかった。プロテスタント思想と人権、民主制度は急速な科学技術発展の基礎となるものではないか。

それから大災害直後の残された資源について、スーパーにある缶詰や乾電池について触れるのなら膨大にあるであろう人間の屍体の活用方法についても検討するべきではなかったか。