映画一覧

映画「ボーダー 二つの世界」Amazon Prime

映画「ボーダー 二つの世界」Amazon Prime 人の感情を嗅ぎ分ける能力を持った税関検査官の女が実は人類ではなかったというストーリー。 スウェーデンの映画は日本人が思う洋画とは違う肌触りがある。ちょっと変わってて面白い。西欧にありながらもキリスト教文化とは距離があるからか。 人類ではない生物の生理をわかりやすく擬人化せず、「感情移入も一体化もできない」と異質なものとして感覚させるこの映画の文法...

映画「ラプソディ オブ colors」

映画「ラプソディ オブ colors」 東京蒲田にあった障害者とその支援者の居場所「colors」に集まる人々を追ったドキュメンタリー作品。しかし、この映画は障害者が主役ではなく障害者を支援する大人たちが主役。社会問題や障害者本人に迫るところがなくちょっとがっかり。 また、ここでもカメラを持った監督が対象にあれこれと突っ込んだことを聞いており、最近のドキュメンタリーってこんなの多いなと思った。 子ど...

映画「ハンディキャップ・キャンプ: 障がい者運動の夜明け」Netflix

映画「ハンディキャップ・キャンプ: 障がい者運動の夜明け」Netflix ジェネド・キャンプは1950年代から70年代にかけてニューヨーク州にあった障害者のためのキャンプ。時代がそうだったのでそこでの日々は、ロック、ピース、フリーダム、そして希望に溢れていたものだった。 しかし、障害者の日常はやはり差別と沈鬱さにまみれていた。有名な障害児施設、ニューヨーク州ウィローブルック州立学校では50人の知的障害児に...

『パターソン』Amazon prime

『パターソン』Amazon prime ジム・ジャームッシュ円熟の最新作。 詩人の街、ニュージャージー州パターソンで詩を書くバス運転手のパターソンをはじめ、悪い人がひとりも出てこない。みんないい人ばかり。 妻役のゴルシフテ・ファラハニがとてつもなく愛らしい。あと、ミステリートレイン以来の永瀬正敏も出てる。 作中の詩はロン・パジェットという詩人の作品。言葉がじっくりと表示されてこれも楽しめる。 ...

『Mank/マンク』Netflix

『Mank/マンク』Netflix 1940年代の脚本家ハーマン・マンキウィッツを主人公に、彼が「市民ケーン」の脚本に取り組んだ時期を描いた映画。デビッド・フィンチャー監督だから時間軸が行ったり来たり、感情表現も分かるような分からないような。ハリウッド黄金期の内幕ものでモノクロの画面が豪華。そういえばオールタイム・ベストと言われる「市民ケーン」をまだ見ていないことに気づいた。今度あらためて見てみよう。

映画『希望のかなた』Amazon Prime

映画『希望のかなた』Amazon Prime フィンランド・ヘルシンキへ流れ着いたシリア難民が、官僚的な制度によって強制帰国の危機に陥る。しかし現地市民の手助けによって生活の糧を得てゆく。そして離れ離れだった妹を救うという話。 出てくるのはいい人ばっかり。それがみんな社会制度や国を信用してなくて、信じているのは同じ人間同士であるという痛快で心温まる映画。 それにしてもストリートミュージシャンの音楽が...

映画『君の心に刻んだ名前』Netflix

映画『君の心に刻んだ名前』Netflix 戒厳令が解除された時期の台湾を舞台に高校生のゲイカップルの愛と苦悩の日々、そしてそれからの30年間の人生を描いた映画。 ゲイは今でこそBLというカテゴリーとして消費する素材だが、80年代の息苦しい時代背景ではカミングアウトは生きるか死ぬかの問題。この映画は今どきの軽妙なBLというよりも、隠し通したゲイの苦々しい人生の物語であるブロークバックマウンテンを思い出させる...

映画『すべてをかけて:民主主義を守る戦い』

映画『すべてをかけて:民主主義を守る戦い』 2018年の米国アラバマ州知事選に立候補したステイシー・エイブラムスの選挙戦を素材に、米国の選挙制度の問題点、さらには投票方法の課題を告発したドキュメンタリー。 建国時には全人口の6%である土地所有者の男性にしか投票権がなかった米国だが、南北戦争を経てすべての国民に等しくこれが与えられることになった。しかし、その後、共和党中心とする政治活動によってこれにさまざま...

映画「Death to 2020」Netflix

映画「Death to 2020」Netflix ひどかった昨年(2020年)の出来事を素材にした、架空のインタビューによるドキュメンタリー風の映画。出てくる人みんなアタマ悪くてヒドイ人ばっかりなんだが、演ってるのはサミュエル・L・ジャクソンやヒュー・グラント、トレーシー・ウルマンとか名優ばかり。ひどい1年を笑い飛ばすのにサイコーな映画。しかし、今年がどうなるのかはまだわからないけどね。

映画「返校」

映画「返校」Netflix 幽霊少女と現実の少女の出会いと別れという、ホラーというよりはゴースト青春ストーリー。大林宣彦の「ふたり」を思い出した。台湾の近代史の暗部に目を背けない姿勢に引き込まれて8話まで見た。それにしても台湾の俳優層が厚いこと。主役のふたりも脇もしっかりとしてる。シーズン2もあるらしく楽しみ。

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映画『パラサイト 半地下の家族』

映画『パラサイト 半地下の家族』 カンヌでパルムドールだというので見てみた。貧乏家族が金持ち家族を欺いて家庭教師、運転手、家政婦として入り込んだが、その家の地下には先客がいたというストーリー。 劇映画として凝ったつくりで面白いがそれだけ。特に格差社会に問題意識を持っての映画ではない。そうであるならばもっと良い映画はたくさんある。 そもそも階級格差とその衝突は、過去と現在の映画の主要ジャンルである。深...

映画『私はあなたのニグロではない』

映画『私はあなたのニグロではない』 ジェームズ・ボールドウィンの未完のエッセイ「Remember This House」をベースに、本人のインタビュー映像、講演の映像、その他の映像資料による米国社会の白人および黒人をめぐるドキュメンタリー映画。2017年制作。ナレーションはサミュエル・L・ジャクソン。 言葉ではなく映像でもなく音楽でもない。フィクションでもなく、ノンフィクションでなければ伝わらないというこ...

映画「普通に死ぬ~いのちの自立~」

映画「普通に死ぬ~いのちの自立~」 コロナ下での自主上映会の可能性を知る意味もあり東高円寺のセシオン杉並というホールに見に行った。 「みかんぐみ」という障害者支援のNPOが主催の自主上映会。400人くらいのホールだが、1列おき2席空けての着席で100人定員で実施だった。平日の午前だったがそれくらいは入っていたと思う。 映画は静岡の重度障害者家族が立ち上げたホームの利用者と家族を追ったドキュメ...

映画「ジェニーの記憶」

映画「ジェニーの記憶」 ドキュメンタリー作家として成功した女性が48歳になって13歳のときのセックス経験を思い出すというストーリー。相手は40歳。それは恋愛だったのか虐待だったのか。 母に指摘され、当時の知人に話を聞くまでは記憶から拭い去られていた出来事。それを思い出し、当時の自分の姿と相手の男性を映像として描くとそれは明らかに…。それでも当時の「私」にとってはそれは自分の選択。そして自分が主体的に終わら...

映画「もう終わりにしよう。」

映画「もう終わりにしよう。」 NETFLIXでご紹介されて見てみた。付き合い始めて間もないカップルが彼の実家に行くことになり、その車内での会話から始まる不条理劇。 語り手が彼女なので、その彼女が主人公なのかと思いきや、彼女は本当は彼の空想の存在かもしれない、いや彼自身も年老いた掃除夫の空想の存在なのかも。と見るものの意識を二転三転させる、そうしたメタドラマを楽しむ映画。 エンドロールにも彼女は「yo...

映画『ハーヴェイ・ミルク』

映画『ハーヴェイ・ミルク』 米国でホモセクシュアルとして初めて選挙に選ばれて公職を得たハーヴェイ・ミルクのドキュメンタリー。1984年のアカデミー賞ドキュメンタリー部門受賞作品。 サンフランシスコのゲイムーブメント興隆と、市長が多様性社会に理解があったこともあり、ハーベイはホモセクシュアルの教師を追放するべきとした第6条破棄の住民投票に勝利するなど多くのゲイ運動の成果を勝ち取っていく。 しかし、同じ...

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』

映画『ゼロ・ダーク・サーティ』 CIAの女性調査員がビンラディンを発見して殺害するまでを描いたインテリジェンスサスペンス映画。 自分の人間性とか人生の喜びを犠牲にしてテロのリーダーを追い詰める様はもはや狂気を感じさせるが、これが911以降の米国の空気なのだろうか。 サスペンスとしては面白いのだろうが「事実に基づく」物語としたら暗澹たる想いとなるのが普通の人間だろう。 これをただの面白い映画と消...

映画「COME AND SEE(邦題:炎628)」

映画「COME AND SEE(邦題:炎628)」 1985年公開、ソ連制作の戦争映画。ナチスドイツ侵攻時のベラルーシ民間人への虐殺を描いた作品。監督のエレム・クリモフはこれ以後、映画を撮っていないという。 パルチザンに参加を試みた少年兵と森で出会った少女。家族のいる村での虐殺などを経て別の村で保護されることになるが、そこではさらに残虐な体験をすることになるというストーリー。邦題はその時期に住民とともに焼...

映画『島にて』

映画『島にて』 自粛期間が明けて今日から映画館の再開。早速ポレポレ東中野で見てきた。会場は2席離して利用可なので経営的には辛いだろうなと思ったが、久しぶりの劇場で良質なドキュメンタリーを堪能。 舞台の飛島は、山形県酒田市から高速フェリーで75分の離島。産業は漁業中心で人口は140人ほど。一時期1,200人を超えていたのですっかり寂しくなった。小中学校は建物は立派だが生徒は中3がひとり。彼が卒業すると学校は...

映画『冬冬の夏休み』

映画『冬冬の夏休み』 これも侯孝賢の1984年の作品。 母親の入院で田舎の祖父の家で夏休みを過ごすことになった小学生の冬冬(トントン)と妹の婷婷(ティンティン)。地元の子どもたちや大人たちとの出会いを描いた佳作。 20年前初めて観たとき都会の子が地元の子どもたちに受け入れられるのに驚いた。日本の映画だとこんなときはいじめられるものと決まっているのに。風景や日常も日本と同じようであり微妙に違うのだけど...