『障害者排除の論理を超えて: 津久井やまゆり園殺傷事件の深層を探る』阿部芳久
『障害者排除の論理を超えて: 津久井やまゆり園殺傷事件の深層を探る』阿部芳久 残念ながら津久井やまゆり園事件が障害者福祉の理念を理論化した役割は大きい。 多く…
アート系イベントへのお出かけとみた映画、読んだ本の記録です。
『障害者排除の論理を超えて: 津久井やまゆり園殺傷事件の深層を探る』阿部芳久 残念ながら津久井やまゆり園事件が障害者福祉の理念を理論化した役割は大きい。 多く…
映画『PLAN 75』 相模原障害者殺傷事件に関する論文を読んで気になった作品。 しかし、こうした淡々とした語り口で、社会的課題のある一面だけを放り出すように…
『元職員による徹底検証 相模原障害者殺傷事件――裁判の記録・被告との対話・関係者の証言』西角純志 19人殺害、26人重軽傷という戦後最大の被害者数であった知的…
『南光』朱和之 日本統治時代から白色テロを生きた台湾の写真家、鄧南光(本名:鄧騰煇)。彼の生涯についての小説である。 各章ごとに作品にフォーカスし、それが撮ら…
『日本アパッチ族』小松左京 なぜかこれだけは読んでなかった小松左京の長編デビュー作。高度成長期の大阪の廃墟で生まれた食鉄人種が右傾化日本を揺るがしていくという…
『水俣病闘争 わが死民』石牟礼道子編 執筆者は石牟礼道子、渡辺京二など主要な人物はもちろん、それ以外にも患者、医師、弁護士、学生、記者など多彩なメンバーが原稿…
「国家人権博物館 白色テロ景美記念園区」@台北 今回の台湾旅行の目玉の一つとして国家人権博物館に行ってきた。ちょうどその2週間後である今日、立法府での野党の動…
『不在と読書』並木毬絵 文学フリマに行ってふと目について購入することになった。 鎌倉在住の女性の読書三昧の日常を綴った日記。自費出版どころか個人出版なのでどん…
『身ぶりとしての抵抗 ---鶴見俊輔コレクション2』鶴見俊輔 鶴見と言えばべ平連の活動や「思想の科学」で有名な哲学者。本書は彼と関わりの深い黒川創が編集したエ…
『苦海浄土』石牟礼道子 ずっと若い頃に読んだのだが、その時はむしろ事件の経緯と活動に興味があり「これは違う」との感想を持ったものだった。今日に読み返してみると…
『台湾の歴史』若林正丈 台湾の近現代史に焦点を絞り、時系列に重大事件とキーパーソンを配置して歴史解説書としては申し分ない良書。 特に民主化のプロセスでは米国と…
『谷中村滅亡史』荒畑寒村 日本近代初であり、かつ最大規模の公害問題である足尾鉱毒事件。その事後史である谷中村破壊のルポルタージュ。 社会主義者であり活動家であ…
『都市』クリフォード・D・シマック 半ば埋もれかけた1950年代のクラッシックSFだけどあることで思い立って再読。文庫版は以下だけど実際は図書館で世界SF全集…
『次の夜明けに』徐嘉澤 台湾の現代文学。台湾の近代史に翻弄される家族の物語を、家族ひとりひとりのモノローグ形式で語る。近代英米文学にあった「意識の流れ」という…
映画『福田村事件』 江古田映画祭で観た。脚本家のトーク付きだった。森達也の最大の失敗はこの脚本家と組んだことではなかろうか。 映画は、関東大震災直後、朝鮮人と…
『僕は八路軍の少年兵だった』山口盈文 名著の声が高く一読してそれは間違いではなかったことが分かった。彼の体験は同世代によっては珍しいことでもないのだろうが、こ…
『本のエンドロール』安藤祐介 編集者、作家、デザイナーなどクリエイティブと言われる人々から「出版」を描いた作品は多いが、これは印刷会社の営業マンの目線で描いた…
『ジェイムズ・ボールドウィンのアメリカ:「もう一度始める」ための手引き』エディ・S・グロード・ジュニア 私自身はボールドウィンを読んだことがない。彼については…
映画『ブエノスアイレス』 レスリー・チャン没後20年特集のもう一本。こちらはウォン・カーウァイ監督で香港映画の佳作。ネットでも観られるが劇場で見るという満足感…
『さらば、わが愛/覇王別姫』 近所の名画座でレスリー・チャン没後20年特集ということで行ってきた。いつか観なくちゃと思っていたが大満足。 主人公は京劇の女形。…
『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』ナンシー・フレイザー 本書は根本的な資本主義批判の書である。 資本主義は単なる経済学の概念ではない。それは近代以降の…
『台湾のアイデンティティ 「中国」との相克の戦後史』家永真幸 本書は有史以降の歴史、現在の人種構成に至った理由、日本統治時代の近代史、国民党一党支配の現代史、…
『風の十二方位』アーシュラ・K・ル・グィン ル・グィンの傑作長編「闇の左手」「所有せざる人々」「ゲド戦記」のサイドストーリーを含む短編集。これらのファンにとっ…
『天のろくろ』アーシュラ・K. ル=グウィン 夢を見ることによって現実改変ができることに気づいた男がその能力に畏れをいだき、様々なトラブルに巻き込まれるという…
『所有せざる人々』アーシュラ・K・ル・グィン 堂々たる古典文学、教養小説である。本書で語られるテクノロジーや社会論は現代となっては古めかしい議論であり小説の背…
『近畿地方のある場所について』背筋 ネットコンテンツやホラー雑誌の記事を素材としたホラー小説。色々な人がそれぞれ別のことを話しているのに、結局ある場所について…
『動物農場』ジョージ・オーウェル 1984年当時はこちらの方が『一九八四年』よりも評価が高かったのはなぜだろう。レーニン批判とソ連への幻滅が顕になった時期だっ…
『闇の左手』アーシュラ・K・ル・グィン 古典SF(1969年刊)の名作中の名作。古典とはいつ読んでもあらためて感動を得られるものと認識した。 遥かな未来、はる…
『一九八四年』ジョージ・オーウェル 1949年の出版以後、多くのディストピア小説や映画があったので既視感すら覚えるが、こちらが本家本元。すべてはこの小説から始…
『地下鉄道』コルソン・ホワイトヘッド 19世紀初頭、奴隷制度下のアメリカで奴隷である少女コーラの過酷な逃避行を描いた小説。現代のアメリカ文学である。 奴隷であ…