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「戦争は女の顔をしていない」スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ

「戦争は女の顔をしていない」スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 大祖国戦争(第二次大戦におけるソ連とドイツの戦争)では100万人以上の女性兵士が従軍して闘ったという。アレクシエーヴィッチは1978年から2004年にかけてこれら元女性兵士等の500人から話を聞き、約200件の聞き書きをこの本に収めた。 この本以前には社会として明らかにしたがらず、また本人らとしても自ら語ることがなかったが、その体験は驚嘆すべ...

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「巨神計画」「巨神降臨」「巨神覚醒」シルヴァン・ヌーヴェル

「巨神計画」「巨神降臨」「巨神覚醒」シルヴァン・ヌーヴェル 太古に埋められた巨大ロボット。ようやくこれが制御可能になったとき、突然現れる新たなロボット群と激しい戦闘になる。ようやく異星人のロボットを撃退したとき、地球人のパイロットはロボットごと異世界へ運ばれることに。というのがこの3部作のあらすじ。 あらすじから想像するほどアニメとか映画っぽいストーリーではない。レポートの往復書簡形式なので緊迫感が持てな...

映画『島にて』

映画『島にて』 自粛期間が明けて今日から映画館の再開。早速ポレポレ東中野で見てきた。会場は2席離して利用可なので経営的には辛いだろうなと思ったが、久しぶりの劇場で良質なドキュメンタリーを堪能。 舞台の飛島は、山形県酒田市から高速フェリーで75分の離島。産業は漁業中心で人口は140人ほど。一時期1,200人を超えていたのですっかり寂しくなった。小中学校は建物は立派だが生徒は中3がひとり。彼が卒業すると学校は...

映画『冬冬の夏休み』

映画『冬冬の夏休み』 これも侯孝賢の1984年の作品。 母親の入院で田舎の祖父の家で夏休みを過ごすことになった小学生の冬冬(トントン)と妹の婷婷(ティンティン)。地元の子どもたちや大人たちとの出会いを描いた佳作。 20年前初めて観たとき都会の子が地元の子どもたちに受け入れられるのに驚いた。日本の映画だとこんなときはいじめられるものと決まっているのに。風景や日常も日本と同じようであり微妙に違うのだけど...

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映画『戀戀風塵』

映画『戀戀風塵』 侯孝賢の1981年の作品。オープニングで十份の駅が見えたときからなぜか懐かしくなる。別の国なのに。 山村から都会に出できた男の子と女の子の出会いと別れという素朴なストーリー。村の広場で映画会。不器用で危うい都会の暮らし。そして兵役。昭和の日本でもこんな話たくさんあったけど微妙に違っているのが日本人にとっての台湾映画の魅力。 主人公のおじいちゃん役は戯夢人生のあの李天祿(リー・ティエ...

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映画『悲情城市』

映画『悲情城市』 侯孝賢監督の1989年の作品。ヴェネツィア映画祭金獅子賞を受賞。 牯嶺街少年殺人事件もそうだったけど、こんな映画が台湾で作れるのかと世界中が驚いたのではないか。私もびっくりした。 カメラが低めに固定されており、その枠を人が出たり入ったり。そのカメラも扉や壁で両側面が制限されていることがある。また、映像外の声で延々と会話が続いたりする。 長回しのカットが多くそれがストーリーをす...

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映画『インターステラー』

映画『インターステラー』 ワームホール、ブラックホール、高重力下での時間、事象地平など宇宙科学注目のアイテムをきちんとビジュアル化。また、きちんと人工重力のある場所とそうでないところを描いていてこれも好印象。そこがクローバーフィールド・パラドックスとの大きな違い。あちらではいつも地面に脚がついていた。 しかし、インターステラーでも地球の重力圏を脱出するのにロケットを使用したのに、水の惑星や氷の惑星の地表を...

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映画『ママ、ごはんまだ?』

映画『ママ、ごはんまだ?』 台湾名家の父と日本人の母、そして一青姉妹は姉の妙が幼少のうちに日本へ引っ越しした。この映画は、その姉が父の人生、母の人生を追って人と出会い、これまで気づかなかった人生の事実に出会うというはなし。 昭和の日本、揺れる台湾社会、そして女手ひとつで娘たちを育てることになった母の人生。それは平凡なものではあるがその人生の機微こそが尊いものであるとこの映画は認識させてくれる。 思え...

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映画『牯嶺街少年殺人事件』

映画『牯嶺街少年殺人事件』 80・90年代の台湾映画界はめくるめくばかりの傑作ラッシュ。この映画はそのうちのひとつ。エドワード・ヤン監督が4時間近い作品をよくつくったと感銘を受けたことを思い出した。現在NETFLIXでこの長い版が見られるので数十年ぶりに見てみた。 別に難解な映画ではない。多感な年齢の少年少女が社会に翻弄されながら関係をこじらせていくというだけのストーリー。しかし、60年代の台湾社会背景を...

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映画『ブラック・クランズマン』

映画『ブラック・クランズマン』 黒人がKKKに潜入捜査?スパイク・リー監督の緊張感たっぷりで痛快な潜入捜査モノ映画。誰もが楽しめる映画に仕上がった。ブラックは美しく演説も所作もなめらかで美しい。それに比べてKKKの白人は知的に低級に描かれるのは仕方ないか。エンディングが現代の状況につながっていくところがスパイク・リーの本領発揮。白人か白人みたいな有色人種しか出てこない映画に食傷したらこちらでデトックスするといい...

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映画『ブレードランナー 2049』

映画『ブレードランナー 2049』 前作の世界観や造形をお金をかけて大きくしただけ。その分密度が下がった。雪の降るロサンジェルスや郊外のディストピアも既視感。追跡者が追われるものになるというのは前回と同じ。違うのは追跡者がレプリカントであるということ。自分だけは特別と思いたがる人造人間の心象にじっくりと取り組めば原作のリスペクトとして成功したかもしれないのに。結局は純粋な人間が尊いというメッセージにがっかり。映...

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アニメ『ミッドナイト・ゴスペル』

アニメ『ミッドナイト・ゴスペル』 NETFLIXオリジナルアニメ。サイケでグロな映像を背景に、ドラッグ、死と再生、瞑想についてなどスピリチュアルで哲学的な話題を延々と繰り広げるという作品。各エピソードのゲストは薬物医、宗教家、死刑囚、オカルト研究家、葬儀屋など実在の論客。英語もわかりやすい。こんな時期には思いっきりぶっとんでみたい。 ゲストの紹介と用語集はこちら。

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映画『アナイアレイション-全滅領域-』

『アナイアレイション-全滅領域-』みた。ストーカー(タルコフスキー)のリスペクト作品だと思う。その場所に深く入り込むほど自分の心の奥底に向き合うことになるというところが。その心象を具現化した、異常かつ美しい風景や造形も素晴らしい。花と化す人間。浜にぽつんと立つ灯台。心通うことのないパートナーとのやりとりなど。

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映画『サスペリア』

リメイク版(2018)『サスペリア』良かった。ダンス学校の廊下に響く下品な笑い声。ハイジャック事件に騒然とする70年代ベルリンの世相。誰もが傷を負った戦争の影。儀式としてのモダンダンスの振り付けも、悪夢の映像も。クロエやティルダの扱いを見ると監督はかなりのやり手であることがわかる。これは旧作の換骨奪胎ではない。旧作へのリスペクトに溢れた昇華という。タイトルバックのタイポグラフィも色使いも秀逸。

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「流れる星は生きている」藤原てい

流れる星は生きている 藤原てい 引き上げ文学の中心的作品。ノンフィクションだと思われていることが多いが、藤原本人も言っているようにフィクションの部分も多く含んでいる。 引き上げとなったとき長男は6歳、次男は3歳、3女は生後1ヶ月であった。これは長春で夫と別れこうした3人の幼児を連れて、1年がかりで帰国するまでの記録である。 宣川の収容所での1年間の人間関係も厳しい。また、帰国に向けて出発し38度線を...

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「忘れられた日本人」宮本常一

忘れられた日本人 (岩波文庫) 宮本 常一 民俗学研究の名著。昭和初期に全国を歩き、地元の古老の話を聞き書きしたもの。 当時の高齢者なのでその若いときの話となると江戸後期から明治、大正時代にかけての話。まさに生きた近代の記録である。 現代の視点から見ると目のさめるような事実がある。例えば女の一人旅が珍しくなく大事にされたこと。大工など職人層が農家の次男三男を吸収するだけのニーズがあったこと。彼らは...

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映画「チャック・ノリス vs. 共産主義」

映画「チャック・ノリス vs. 共産主義」 再現映像とインタビュー映像による、共産主義時代ルーマニアの地下ビデオ産業を描いた映画。秀逸、タイトルもよかった。 国外からの情報閉鎖状態だった当時のルーマニアでは、非合法ルートで持ち込まれ秘密裏に個人の住宅で行われるビデオ上映会が流行した。そこではアクション、コメディ、サスペンスものなどが上映され、それが閉鎖国家の国民にとって西側の空気を感じる時間でもあった。 ...

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映画「ガザの美容室」

映画「ガザの美容室」 パレスチナのガザといえば想像通り銃声の絶えない紛争継続地区だが、そこある美容室に集う女たちのひとときを描いた密室劇。 容色の衰えた女、結婚間近の若い女、出産を控えた女、おしゃべりで詮索好きな女、信仰に厚い女、暴力的な恋人に翻弄される女などを配して、外では銃声や爆音が響く。キャラクターと舞台設定の作り込みが過剰だった。想像通りで救いのない展開だった。 ドキュメンタリーじゃなく劇映...

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「ハマスホイとデンマーク絵画」展@東京都美術館

「ハマスホイとデンマーク絵画」展@東京都美術館 数年前にあったハマスホイの大規模個展が忘れられなくて行ってみた。前回はなんと2008年だから10年以上前になるのか。 ハマスホイは新しいのがなくて、しかも前回見た建物のがなくて少しがっかり。しかし、それ以外のデンマーク作家の部屋が素晴らしくてしばし滞在。 ハマスホイと同時代の作家による室内がよかった。ラウリツ・アナスン・レング「遅めの朝食、新聞を読む画...

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映画「彼らは生きていた」

映画「彼らは生きていた」 公開翌日に青山に行ったらまさかの満席!で、翌週の金曜夜の回。これまた満席で追加席まで出てた。なんでドキュメンタリー映画なのにこんなに人気があるんだろう。 100年前のフィルムを最新の技術でフレーム補間し、彩色。音声もアーカイブのテープを補正してるのでクリアー。そんなことで驚くような映像に仕上がった。まるで近頃のビデオで撮った映像のよう。 しかし、苦境でもユーモアを忘れない、...