『ふたり 皇后美智子と石牟礼道子』高山文彦
「ふたり―皇后美智子と石牟礼道子」高山文彦(講談社) 平成25年10月、天皇皇后が水俣を訪れた際、水俣病患者たちと面会した。それはよくある天皇の地方訪問ではな…
アート系イベントへのお出かけとみた映画、読んだ本の記録です。
「ふたり―皇后美智子と石牟礼道子」高山文彦(講談社) 平成25年10月、天皇皇后が水俣を訪れた際、水俣病患者たちと面会した。それはよくある天皇の地方訪問ではな…
『昭和天皇実録』を読む(原武史)岩波新書 皇太后との確執、新嘗祭などの祭祀への姿勢、最初の欧州旅行でのバチカンへの接近と戦後のカトリックへの改宗の動きなど、こ…
「高卒女性の12年: 不安定な労働、ゆるやかなつながり」杉田真衣(大月書店) 社会学の研究者による若年女性ノンエリート層を対象とした調査研究。 杉田らは200…
「退屈しのぎ」原節子(角川書店) 原節子のエッセイがあるとどこかで聞き、図書館を検索して手に入れた。しかし、手にしてみるとどうも様子が違う。昔のハヤカワ・ミス…
帝国の慰安婦 ―植民地支配と記憶の闘い 朴裕河(朝日新聞出版) 韓国の日本文学研究者による慰安婦問題の評論集。研究者らしく情報収集手法が適切であり、解釈・分析…
「出家とその弟子」倉田百三 発表当時、これは親鸞の教えではないと浄土真宗からさえ批判があったらしい。しかし、念仏と密教の区別もつかない人の多い現代、この本は他…
「渇きの海」アーサー・C・クラーク(ハヤカワ文庫) 1961年の作品だからクラークがSFを描き始めて10年目。彼の長い絶頂期の始まりの頃だろう。月面の塵の海を…
失敗の本質―日本軍の組織論的研究(中公文庫) ノモンハン事件、ミッドウェー作戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦を取り上げて、日本軍がなぜ…
イスラーム世界のジェンダー秩序――「アラブの春」以降の女性たちの闘い あたり前のことだがイスラム諸国と一括りにできるわけもない。それぞれの国にそれぞれの事情が…
「ぼくらは海へ」那須正幹(文春文庫) 70年代の小学6年生。進学塾に通っているちょっと勉強ができる系の。塾の行き帰りに通る埋立地で、気まぐれから船をつくること…
「医療の選択」桐野高明(岩波新書) 各国における医療の現状(第1章)、健康保険制度の現状(第2章)、医療の課題としての高齢化社会(第3章)、産業としての医療(…
「笹まくら」丸谷才一(新潮文庫) 1960年台だから終戦から20年も経っている頃のはなし。大学職員の浜田には徴兵忌避者として日本中をさまよっていた過去がある。…
「総点検・日本海軍と昭和史」半藤一利・保阪正康(毎日新聞社) 元海軍中将の小柳富次が戦後、海軍OBに聞き取りした「小柳資料」が最近になって発表された。これを基…
「避難弱者 あの日、福島原発間近の老人ホームで何が起きたのか?」相川祐里奈(東洋経済新報社) 著者は国会事故調の調査員。報告書では病院の避難について担当したが…
「私のなかの彼女」角田光代(新潮社) 偶然入手できたので久しぶりに読んだ角田光代。しかし、これはダメだった。 私は角田の大ファンと自認するものだが、読んでよか…
「ヤマネコ・ドーム」津島佑子(講談社) 木村朗子の評論で取り上げられていたので読んでみた。小説を読む歓びはあったが、作家の社会認識は軽薄なものだった。 こんな…
「震災後文学論 あたらしい日本文学のために」木村朗子(青土社) 日本文学を読まなくなって久しいが、震災後というか原発事故後の日本文学はどうなっているのか興味が…
「旅の時間」吉田健一(講談社文芸文庫) 豊かな旅の時間についての小説である。絵空事ではあるが、時間を費やして没頭する価値のある絵空事である。 移動中の旅客機、…
「サンダカン八番娼館」山崎朋子(文春文庫) 「からゆきさん」と呼ばれた、戦前にアジア各国へ渡った売春婦たちについての1975年のドキュメンタリー。かつては誰も…
「死者たちの戦後誌 沖縄戦跡をめぐる人々の記憶」北村毅(御茶ノ水書房) 沖縄戦の熾烈さとか、そこに至る道のりについては多くの書籍が著されている。しかし、その死…
「戦後日本の『独立』」半藤一利・竹内修司・保阪正康・松本健一(筑摩書房) 日本の占領期(昭和20年8月のポツダム宣言受諾から昭和27年4月のサンフランシスコ講…
「間違いだらけの少年H―銃後生活史の研究と手引き」山中恒・山中典子(辺境社) 批判の対象となっている「少年H」のアマゾンのレビューを見ると、本書について多く取…
「驚きの介護民俗学」六車由実(医学書院) 民俗学の研究者が介護施設に就職。そこで業務の傍ら利用者に聞き取りをしたところ、そこは民族学的知識の宝庫だったというル…
昭和史 1926-1945 半藤一利(平凡社ライブラリー) 夏の暑い頃になるとこうした本が読みたくなる。 半藤が昭和史の重要ポイントを講義形式で語ったものを聞…
「フルクサスとは何か?―日常とアートを結びつけた人々」塩見允枝子(フィルムアート社) うらわ美術館で多くの関連作品を目にして興味があったので購入。 フルクサス…
「キュレーションの時代―『つながり』の情報革命が始まる」佐々木俊尚(ちくま新書) 佐々木はネットメディアを主なテーマとして活動する評論家/ジャーナリスト。今回…
「肉体のアナーキズム」黒ダライ児(グラムブックス) 1960年代、反芸術のうねりとともに湧き起こったアートパフォーマンス。 この本の主役は、その担い手の中でも…
「日本の一番長い夏」半藤一利(文芸新書) 終戦当時、政権の中枢にいた者、一兵卒としてアジア各地にいた者、そうした戦争の「当事者」たち30人を集めて、終戦18年…
「日本の前衛 1945-1999」瀬木慎一(生活の友社) 戦前から戦中、戦後の占領期、それに続く政治の季節、高度成長期まで。日本の近代において大きな潮流となっ…
『藤田嗣治「異邦人」の生涯』近藤史人 竹橋の近代美術館に行っても、大阪の国立国際美術館にいっても、常設エリアの片隅に一枚でもあると、ほっとため息つきながら上品…