「ハマスホイとデンマーク絵画」展@東京都美術館
数年前にあったハマスホイの大規模個展が忘れられなくて行ってみた。前回はなんと2008年だから10年以上前になるのか。
ハマスホイは新しいのがなくて、しかも前回見た建物のがなくて少しがっかり。しかし、それ以外のデンマーク作家の部屋が素晴らしくてしばし滞在。
ハマスホイと同時代の作家による室内がよかった。ラウリツ・アナスン・レング「遅めの朝食、新聞を読む画家の妻」のリラックスした親密さ。カール・ホルスーウ「読書する女性のいる室内」の構図の妙。ギーオウ・エーケンの「飴色のライティング・ビューロー」は、磨き込まれた家具に窓からの光が写り込んでいる様子が北欧の白くて強い光線を思わせて秀逸。
その他にもスケーイン派と呼ばれるデンマーク北部の景色とそこに暮らす人々を描いた作品群が心地よい。ピーザ・スィヴェリーン・グロイア「スケーイン南海岸の夏の夕べ、アナ・アンガとマリーイ・クロイア」ではゆったりとした時間の過ごし方と親しい人間に対する親愛の情が伝わってくる。
展覧会概要によるとデンマーク人は「ヒュゲ(くつろいだ、心地よい雰囲気)」を大事にするらしいが、展示会前半でそれが伝わった。そこがはっきりとしたテーマとしてあり、展示会としては楽しめるものだった。
つくづく思うが、映画1800円、単行本1800円なら、展示会1600円は同じくらい楽しめる体験を提供できるものと再認識。
https://www.tobikan.jp/exhibition/2019_hammershoi.html