映画『本日公休』
つい台湾映画については甘くなってしまうのだがこれも佳作である。長年、台中の理髪店を営む女性とその家族、お馴染みさんとの交流を描く涙あり笑いありのホームドラマ。
主役の女性も良かったが特によかったのが出てくる男の子すべて。お人好しで優しい次女のかつての夫、田んぼの真ん中で理髪をすることになった世捨て人の男、あやしい商売ばかり始めては続かない長男で末っ子。どれも雰囲気良い若者ばかりで台湾映画の俳優の層の厚さをうかがわせる。
もっと言えば女優たちもカメラも照明も良かった。舞台となる理髪店はセットではなく監督の実家とのこと。よくカメラと照明を設置できたものだと驚いた。
ツイストばっかり狙うような日本映画、いつも最後は過剰な演出になる韓国映画とも違うこの台湾映画の雰囲気は世界的にも貴重なのではないだろうか。