『アルケミスト 夢を旅した少年』パウロ・コエーリョ

羊飼いの少年が偶然出会った人々に導かれスペインからエジプトのピラミッド、そしてまたスペインへ還ってくるという話。

スピリチュアルな内容である。つまり根拠も必然性もないエピソードによって世界の真実らしきものを発見できるとする考えのこと。この種の考えが多くの人々によって熱狂的に支持されるということが私にとってミステリーである。

この少年は苦しい旅の末に自分の親しんだ土地へ還ってくる。そこには教訓はあっても情動がない。それに対し「夢を追う子」は熱に侵されたようにここではないどこかへ追い立てられていく。しかもこの子は帰らない。旅への情熱はこのようなものではないのか。

夢とか旅を根拠のない教訓に利用するのはやめてほしい。