『太陽の簒奪者』野尻抱介

突然水星に発生したカタパルトから資源が打ち上げられ、それらが太陽の黄道面に沿ってリングを形成した。そのリングによって地球の日照が制限され、人類は存亡の危機に立たされることになる。当時高校の天文部だった主人公はやがて探査船のクルーになり、その危機を回避するべく水星軌道に向かうという話。

SFファンが集まってワイワイとアイデアを出し合い、小説の形にまとめたという印象。作家に責任のない作品はたいていつまらないという事例そのままの小説だった。テクノロジーとは、知性とは、人生とはという根源的問いをスルーして面白い小説がかけるはずがない。

人間関係に悩むことなくトントン拍子に成功するこの小説の主人公と、人間関係や宗教観に悩みまくり挫折も味わう研究者の人生を描く映画「コンタクト」の主人公を比較してしまってがっかりした。