てらこや座談会+展示/アジア海流文化圏構想@Art Lab AKIBA
てらこや座談会+展示/アジア海流文化圏構想@Art Lab AKIBA
Art Lab AKIBAという浅草橋にできた新しいアートスペースのこけら落としのシンポジウム。池田一氏は水をテーマに国内外で大規模なアートプロジェクトを手がけているアーティストでありアートプロデューサー。「アジア海流文化圏構想」というテーマで彼のテーマと仕事を対比させて語ってくれた。いずれも興味深い内容だったが、特に西欧文明とアジア文明、陸上文明と水上文明と対比した文化論が刺激的。
陸上文明の建築物はレンガ(圧縮材)を使うが、水上文明は竹(伸張材)を使う。「見立て」は日本人の優れた現実把握能力であり、西欧では現実を青写真に合わせて造形してしまう。世界を見るとき西欧は鳥瞰(鳥の眼)で見るが、これに対して水の眼という方法もあるだろう。などなど。
彼のプロジェクトはこれらの思想をアート作品として形にしたもの。台湾、香港、フィリピン、鹿児島県など多くの場所で地域の人々を巻き込みながら水をもとに物事を考えることの大切さ、水そのものの大切さを伝えている。
堅い石がお互いを支え合って構成されているのがストーンヘンジがだとすると、水がその性質そのままに形を変えながらお互いを支え合うあらたな形がウォーターヘンジ。その考え方がすばらしかった。