会田誠「美術であろうとなかろうと」@トーキョーワンダーサイト本郷
会田誠「美術であろうとなかろうと」@トーキョーワンダーサイト本郷
会田誠が仲間とともに公開制作をしている会場。あまり言うことなし。チラシで会田がかっこいいことを言っているが、そこにはアートの歓びもアートの価値もない。
ある時代を席巻した作家だから何ものかであるのだろうと思う人もいるのだろうが、社会的文脈からも美術史からも乖離した活動はつまらない、見る価値がない。
私にはここに作品を完結させようとする意思が感じられなかった。作品を完結させようとする意思、それは作品を通じて表現する者の生理現象ではないか。たとえそれが「制作(プログレス)」という作品だろうとも。あるいは、たとえドローイングやプロトタイプであろうとも、それが作品へ向けての意思があるのなら価値がある。
しかし、ここには最後にどのようなものを作るのかという具体的なイメージがないままに手と体を動かしているかのようだった。それは大学の学園祭によく見られる風景でもある。
そして、それを持ち上げている老舗ギャラリストも、東京都のアートを仕切っているトーキョーワンダーサイトという事業にも腹が立つ。横浜や名古屋のほうがよっぽど実質的な文化支援事業を行なっている。