朝倉彫塑館
ここは明治、大正、昭和初期に活躍した彫刻家、朝倉文夫の個人宅兼アトリエを美術館として公開したもの。人気の谷根千エリアにあって、下町情緒あふれる街と贅を尽くした和洋折衷建築が楽しめる。
随分前に行っていたく感動した。しばらくリニューアルだったが、先週オープンしたと聞き早速行ってみた。
いつ行っても中高年や外国人旅行客でいっぱいなのだが、雨降りの日でお客さんがやや少なくてゆっくり出来た。しかし、屋上庭園が雨で閉鎖だったのが残念。
リニューアルとのことだったが拍子抜けするくらい前と同じだった。それが耐震補強を施したうえでの旧態保存の結果かと思うとかえって感心する。
アトリエの高い天井と明かり取り窓、中庭全面の噴水のある池、上階の景色のいい客間。中庭の池は自然の湧水だそうだ。
いずれも路地の入り組んだ下町にあるとは思えないゆったりとした空間。これが戦災から逃れえたことは奇跡だと思った。
ところで、和室は座って鑑賞するものと思っているので、立って通り過ぎる来場者がもったいない。
京都の例えば龍安寺の石庭を鑑賞するときも廊下に座ってということが多いが、本来は座敷の奥から襖、障子、廊下に枠どられた屋外を観るのが正しい。奥行きを認識しながら空間を鑑賞するのが日本家屋の楽しみ方だと思うので。